短編小説書きました。

ブラウザからの閲覧、PDFのダウンロードも可。
無料です。



 


魔法少女まどか☆マギカはすごい。
今までの変身ものとか魔法ものとは次元があまりにも違う。
「契約」って何なのか、何のためにするのか、
強いては社会契約にも通ずる深遠なテーマと本気で格闘しているアニメだと思う。
僕?
はい。
娘を救うためなら契約しますよ、もちろん。


「契約、契約しよ、僕と」
「君と契約するとどんな良いことあるの」
「一生涯、ずっと君を愛すよ。絶対!」
「それ、契約じゃなくて自己満足っていうんじゃない?」
「いやだって、僕のための契約だから」
「一度死ね」


「僕と契約して魔法少女になってよ」
「いいけど、魔法少女は子ども産めないよ?」
「…じゃ、人間でいいや」
「もう一回死ね」


「僕と契約すれば、一戸建てに住めるし美味しいもの食べられるし可能な限り君を守るよ」
「なんか社会契約みたい。インフラ整備して国民を安心させて…あ! 税金の代わりに私から何を徴収する気?」
「愛だけだよ」
「嘘!そんな政府なんて存在するものか!」
「僕は政府じゃないって」
「新しいこと始めるのって何が必要かなー」
「熱意?タイミング?動機付け?」
「うーん、なんか違う」
「情熱?切っ掛け?モチベーション?」
「…それ、さっきの言い替えただけだし」


「すみません、新しいこと始めたいんですが…」
「はい、じゃあその用紙に名前生年月日住所書いて捺印押して2番窓口に提出して下さい」
「それだけでいいんですか!」
「…他に何があるんですか。あ、手数料200円です」


「新しいこと始めようと思うんで、悪いんだけど別れて欲しいの」
「え!なぜ、おれ頑張ったと思うんだけど」
「その頑張りは認めるけど、ごめんね、新しいこと始める時は、新しい彼と決めてるの」
「…お前は男の生き血を吸って若返る吸血鬼かあ!」


【猫の日記念】
「猫はのんきでいいよなー」
「仕事にも家庭にもちゃんと向き合わないで平日昼間からこんなお店に来ているお客さんが言っても誰も同情しないと思う。あ、仕事だから愛想振りまいてるけど、もちろん私も同情しないしー」
「…」
ノアの方舟に乗らずして生き延びた人たちがいた。
現在も人類は「ノアの子孫か、子孫でないか」に二分できたが、何故か両者が争った過去はないし迫害の事実もない。
「それってどうして?」
ノアに選ばれたんであって神に選ばれたわけじゃないから。
羨むようなことじゃないってわけ。


ノアの箱船によって救われた人類はその偉業を記念して至る所にノア像を立てた。
このため今では工事現場からノア像がゴロゴロ発掘される。
最終処分場はノア像であふれ、山に放棄する違法業者が続発し、豪雨になるとこのノア像が雪崩を打って人家に押し寄せた。
「ノア像の洪水だ!」


「ノアは確か自分の家族だけ箱船に乗せたんだよね」
「確かそうだよ」
「それなのにどうして今、人類の遺伝子配列は多様なんだろう」
「…はっ、家族とは偽りで実は全て愛人だったと!」


「背が高い者は、背の高さを活かせばいい。容姿がよい者は、その容姿を活かせばいい」
「何も持っていない僕は?」
「心は平等だ。心を磨けばいい」
「…けっ」
病床で妻が夫に問いかける。
「何かやり残した事は?」
「娘のいく末を最後まで見届けたい!」
「…あなた、何歳まで生きるつもり」


「私の魂、買って下さい」
「いいが、何が望みだ」
「私の命を。…家族が納得してくれるまでの命を」
「…ダメだな。お前の家族が永遠に納得しなかったら、この取引は成立しない」
「だから、そこも含めてお願いしたいんです。出来るでしょ?悪魔なら」
「悪魔にも、出来ない事はある」


雑誌で見た美しい景色。明日、見に行こう、君と一緒に。
テレビで見た、あのホテルに泊まろう、君と一緒に。
もう嘘はつかない。
全部叶えてあげる。
だから別れるなんて、お願いだから言わないで。


持っている者は誠意を尽くして必ず言う。
「全てを捧げられないからこそ全力なんだ」と。
しかし持っていない者は必ずこう思う。
「でも、私は持ってない。でも、あなたは持ってるじゃない」
雪が降ると嬉しい。
「どうして?」
いつも朝になると帰ってしまう、あなたの足跡が残るから。


「えー!雪やまないのー」
天気予報外ちゃったねー。もう一泊していけば?
「でも……このまま雪が止まなかったら」
ずーっと、僕んちにいればいいさ
「なんか監禁みたいだね」
そうだね、冗談でもSOSのメールは送らないようにあはは。
「しないよーそんなこと」
じゃあまず、災難事故に備えて、君の手と僕の手を…
【無意識】
自分では自覚していない行動や発言の背景にあるとされるもの。


「俺の無意識が君を求めて止まないだ!」
「自覚できてるなら無意識とは言わないでしょ。言い直しなさい」
「…僕、君のこといつも考えてばかりいます」


生涯で、もらったチョコが19個。
義理チョコ5つに姉チョコ14。
姉チョコが多いのは失敗作を食わされるから。
今年はどんな不味いのかと、うんざりしてたら無いとのこと。
えー彼氏と婚約?
ふーん、あの不味い手作りチョコは食べなくていいんだね。
と言うか、食べられないんだ…


「やだよ、ねーちゃんの作るチョコ不味いんだもん」
それは言ってくれるな弟よ。
姉もどうして手作りチョコがこんな事になるのか見当が付かないのだ。
でもいつか、お前にとびきり美味しい手作りチョコを食わせてあげるぞ。
約束だ。
だから今はこのチョコを味あっ、逃げるんじゃない!

「鬼は外!」
泣きそうな声で男は叫んだ。
「パパ頑張って!」
家族が男を励ます。
「福は内」
しかし疲労は限界に達していた。
「鬼は…」
男は力尽きその場に倒れた。
と同時に、大勢の鬼が玄関や窓を打ち破り突入して来た。

西暦2020年。
追儺の儀の結界が破れ、鬼が人を喰う世界。
「この星あげる」
「え?それじゃ姉さんの分が」
「私はいいの。あなたより大きいんだから、またすぐ採れるし」

そう言って優しく微笑んだ姉はもういない。
夜空には満天の星。
いくら摘んでも尽きない星を、
今夜もまた主の為に選りすぐる。

僕は星を摘む一族の末裔。

元ネタは、ツイッターでフォローしている方が見たという夢。
「星を摘む姉弟」という設定をいただきました。
「人の生き方に無理に合わせるの疲れるよね。案外それが君のストレスの根源なんじゃ」
「んーでも、人に合わせない生き方が分からないし、逆に辛くないかな、悪口言われないかな」
「それだ!よーするに悪口言われるのが怖いんだ」
「うん恐い。たぶんリアルで言われるよりも…ね」


「お願いだから、以前の君に戻ってくれ!そうしたら君を嫌いにならないでいられるのに」
「君も一緒に変わっちゃえばいいんじゃん」
「それはイヤだ」
「それねー、たぶん単なるわがままだと思う」
「どうしてみんな僕のこと分かってくれないんだー!」
「だから、分からないんだって」