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群馬県の草津温泉の近く、中之条町六合(クニと読む)の赤岩集落は、群馬県で初の伝統的建造物群保存地区に指定されたところ。

「集落」というと、家々が区画内に点在して集合体を形作っているイメージがあるけど、ここ赤岩集落は通り沿いに家々が連なる、イメージとしては宿場町のような細長い集落。
そして背後には山、手前の川を臨む急斜地の中腹にあって、あまり豊かな環境とは言えない。
しかも資料によると、養蚕の施設が残っているとは言え養蚕がこの集落を豊かにすることはなく、ほとんどの家では何かしらの副業をこなしていたという。

そんな、たぶん日本中に沢山あった似たような集落(の伝統的建築物)の一滴を辛うじて救うことになったのが「伝統的建造物群保存地区」という国の指定。
その辺のリアルな経緯は下の上毛新聞の2006年頃の連載記事に詳しい。

第5部・六合・赤岩の景観保存>2・住民の意識 歴史的価値見直す

ちょっと古いサイトのため、前の記事にも次の記事にも行けなくなっているので念のために連載トップページのURLも貼っておこう。
「絹の国の物語」

個人的にとても気に入ってる記事。
地方紙ってこういうのがあるからいいよね。

さて、大変失礼ながらこんな辺鄙なところを訪れる観光客なんて滅多にいないだろうと、実際、僕が訪れたときは僕一人だけだったし、などと考え、それでは僕がブログに記しておけば他の人の参考になるかな、と思って少しネットを徘徊して見たら、これが意外とあるんですね、赤岩地区を紹介するブログが。

ということで写真も少なめに(だって皆さんの写真のが綺麗なんだもの)コメントも少なめに。

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一見すると廃屋か?とおぼしき土蔵があったりするけど、敷地内は掃除が行き届いていて、住民の確かな生活の息吹が感じられる。

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あと、とんでもなく広い敷地の家はない、が、狭い敷地にも松などの樹木、生垣、花壇などが整えられていて、散策していてとても気持ちがいい。

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赤岩集落でもっとも重要な建物はたぶん次のもので、3階建ての土蔵造りという珍しさ。

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(上の写真、ちょっと傾斜しているように感じられると思うのだけど、カメラの水平機能を使って撮っているので、たぶん水平は取れている。だから実際に少し傾いている?)

そして、横方向から見た方が、その異形な様子が分かりやすい。

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下の建物は修復中なのだけど、建具をアルミサッシにするのではなく、木製建具での修復。
もしかしてこれが伝統的建造物群保存地区に指定されたメリット(そして家主の意識変容)なのかも。


上の修復中の家と、よく似た手前の家。

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赤岩地区に現存するもう一つの3階屋。
赤岩地区にあっては珍しく家屋が奥まっているので全景は通りからはうかがえず。

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東堂
斜面に石積みした上に建つ。写真ではよく分からないけどすぐ下は谷になっている。

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上(かみ)の観音堂
18世紀に建てられたと推察される、赤岩地区で最も古く、唯一の茅葺き屋根。

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資料で「唯一の茅葺き」と知って驚いたわけだけど、早々に茅の葺き替えを諦めたからこそ古い構造のままの家々が残された、ということなのかもしれない。

観音堂から見下ろした集落。確かにかやぶき屋根が見当たらない、ゆえに、このアングルだとひどく平凡に感じられるし、ここが伝統的建造物群保存地区とはにわかに信じがたい。

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赤岩集落、遠景。
厳しい環境であることが存分に伝わってくる。

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こういう僻地に住まざるを得なかった過去の暮らしぶり、不便さは格別のものだったと想像するけど、現代において住み続けることも、別の意味で困難を伴うのだろうなと推察する。

僕は確認できないけど、この集落を含む多くの僻地の集落は、100年後どうなっているのだろう。