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足利市民のプライドを取り戻す試み(1)
 NHK交響楽団(以後N響)は日本最高峰のクラシック・オーケストラ。そう言い切ってしまっても、異議を唱えるクラシックファンはそんなにいないんじゃないかな。と、これは個人的な意見ですが。

 

さて、そのN響が東京以外で定期演奏会を持っているのは以下の4都市。

横浜市(368万)

名古屋市(226万)

岡山市(71万)

足利市(15万)

 

かっこ内はそれぞれの都市の人口。

一目瞭然ですよね、足利市と他の都市との違い。そう、人口と都市の持つイメージがあまりに違いすぎる、もっとはっきり言ってしまうと格が違いすぎる。「お仲間ですねぇ」なんて言ったものなら怒られてしまいそうな、それくらいに違いすぎるわけです、他の都市と足利市は。

 

逆に何故こんな程度の小規模都市(足利市)で、N響の定期公演が開催されているのかが、とっても不思議。これはひとえに関係各位の尽力の賜であるわけですが、定期演奏会になる前、足利市とN響の関係は実に1968年から続いていて、人口が20万人にも満たない地方都市がN響との関係を40年以上にわたって脈々と築き続けてこれたことに、僕は驚きを禁じ得ないのです。

 

この事実を足利市の住民はどう感じるのか? 足利市が失って久しいものに「自尊心」が挙げられると思うわけですが、その自尊心を失った切っ掛けは、人口減少、大手企業(工場)の撤退、そして近隣都市に相次いで林立したショッピングセンター(やアウトレットモール・シネコン)の存在なのではないかと…

 

では足利市に再び工場が建ち並び、巨大なショッピングセンターが出来れば自尊心は取り戻せるのか? 僕はそうは思いません。何故ならそれらは常に代替可能であり、いつでも別の物に置き換わる可能性(心配)が付きまとうから。

 

ところがこのN響の定期演奏会はどうだろう? 全国でたったの4ヶ所(しかも足利市以外は大都市)でしか行われていないN響の地方定期公演が、近隣都市でも開催される可能性が果たしてあるだろうか? たぶん、それはない。足利市の関係者各位が40年以上にわたって尽力してきたこの伝統は、容易に模倣できず、そして全国的にも希で画期的な出来事であるのだから。

 

これが、僕が足利市の住民に伝えたい、足利市が誇っていいことの中の1つ。

クラシック音楽に興味がなければ取るに足らない出来事かもしれない。しかし興味があるなしに関わらず、足利学校が足利が誇る歴史建造物であるように、N響の定期公演もまた、純然たる誇るべき存在なのだと思うのです。

ところで足利市では、2009年から水戸室内管弦楽団の定期演奏会も始まってます。同じ北関東の水戸のオーケストラだからと言って軽く見てはいけない。水戸室内管弦楽団は総監督に吉田秀和(著名な音楽評論家)、音楽顧問に小澤征爾をもつ、日本有数の室内オーケストラなのだ。 

そして水戸室内管弦楽団が本拠地以外での定期公演を持っているのは、ここ足利市だけ。

 

これって自尊心をくすぐりませんか?

もちろん僕は、足利市民会館NHK交響楽団定期公演(そして水戸室内管弦楽団定期公演)の存在を、心から誇らしく思っています。


(2012/5/7 Facebookのノートより)

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